2007年11月30日

第14報 第7回インプラント矯正研究会セミナー

インプラント矯正とは、各種インプラントを歯を移動するための固定源に利用するという画期的な治療法を意味します。インプラント矯正を歯科臨床において適切に定着させるため、当時インプラント矯正を手掛けていた臨床医が中心になって、2000年にインプラント矯正研究会を設立しました。そして情報交換の場として年1回のセミナーを10年限定で開催することにしました。当時、矯正用固定源に応用されていた材料はサンキン社製のミニインプラント(K1)とミニプレート(SMAP)しか販売されていなかったことから、サンキン社に事務局を置いて第1〜5回セミナーを開催しました。その後、サンキン社以外の製品も販売されるようになったことから、昨年から事務局をカノミ矯正・小児歯科クリニック(姫路市)に移して第6回セミナーを開催しました。そして、今年から当院SAS矯正歯科センターに事務局を移し、残り4回のセミナーの企画運営に当たることになりました。

 

  今年度の第7回セミナーは、2007年11月13日に笹川記念会館(東京都)において開催しました。折しも、厚労省および学会から、現在市場に出回っているミニスクリューやミニプレートを矯正用固定源として用いることは目的外使用であることからその適用に当たっては患者の承諾が必須であることと、商品宣伝や商社主催セミナーを自粛するようにという指導がありました。研究会世話人の一部からもセミナーを見合わせてはどうかという意見も出されましたが、本セミナーは最初からコマーシャルを排し、学術的・臨床的な立場を貫いてきたことから、自粛の対象には当たらないと判断しました。
今回のセミナーでは、原点に立ち返り「インプラント矯正を安全かつ確実に行うために」という主題を設けました。高木多加志先生(東京歯科大学)による「インプラント矯正の医療としての現状」という基調講演に引き続き、Soon Yong-Kwon先生(ソウル)・植木和弘先生(広島市)「ミニスクリューの植立と矯正歯科治療」、長坂浩先生(宮城県立こども病院)・菅原準二(仙台市)「ミニプレートの安定性と治療メカニクス」、本吉満先生「失敗しない埋入方法と効率的な歯の移動」という講演がありました。さらに、初の試みとして秋葉順子先生{東京歯科大学}、諸靖子先生{仙台市}、池森伸江先生{名古屋市}による「歯科衛生士によるインプラント矯正のメインテナンス」と題したパネルディスカッションを催しました。貧乏な研究会で十分が謝礼をお支払いできませんでしたが、講師の皆さんは快く情報提供をしてくださいました。ひたすら感謝するのみです


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参加人数は予想を上回る150名で、会議室が最後列まで埋まるほどの盛況ぶりでした。いわば逆風とも言える状況でのセミナー開催でしたが、インプラント矯正への関心が依然として衰えていないことを知らされるとともに、インプラント矯正が日常臨床の中で確実に定着しつつあることを感じさせられました。

投稿者 sugawara : 10:28 | コメント (0) | トラックバック

2007年11月10日

第13報 チャイルドライフ支援ボランティア講座

10月28日に、私が関わっているNPO法人ワンダーポケット(http://www.w-p.jp/)主催による2007年度のボランティア講座が仙台厚生病院・海老名ホールで開催されました(図1)。本講座は「すべての子どもたちに命の輝きを」というワンダーポケットの理念に基づくNPO活動の一環で行われているものです。病気や障害を抱えた子どもへの支援だけではなく、その兄弟姉妹やご両親への支援をも視野に入れたボランティアを養成することが目的です。

 

図1 主催者側の挨拶

 

のためには、現代に生きる子どもを取りまく家庭および社会環境などの問題点についても情報提供する必要があることから、チャイルドライフ・スペシャリスト、小児科医師、臨床心理士、心理学者など、ワンダーポケットの役員を中心として多彩な講師陣で組まれています。今年は、「実践に役立つチャイルドライフ支援の基礎知識2007」と題して、以下のような4名の講師による講義が行われました(図2)。いずれもインパクトのある内容でした。
1.足立智昭先生(宮城学院女子大学)「病気の子どもの親・家族の気持ち、サポート必要性について」
2.田沢雄作先生(国立病院機構仙台医療センター)「病気の子どもに必要なもの -安静そして人間コミュニケーション-」
3.工藤亜子先生(東北大学病院)「子どもの心理療法 –遊戯療法を中心として-」
4.藤井あけみ先生(国立がんセンター中央病院)「寄り添う大人になるために」

 

図2 ボランティア講座
 
私の役割は、ボランティア講座の企画と当日の司会を担当することが定番です。冒頭の挨拶で「いつも強制(きょうせい)的に司会(しかい)をやらされている矯正歯科医(きょうせいしかい)の菅原です」というジョークで会場の笑いを誘ってリラックスさせるのもいつものことです。でも、私には、異分野の専門家のお話をじっくり聴講することができる楽しみがあります。毎日、狭い口の中だけの診療に追われていると、どうしても視野狭窄症なってしまうことから、時々意識的に他分野の専門職のお話を聴くことによって、自分の社会における位置づけと役割を再認識することができます。

投稿者 sugawara : 11:46 | コメント (0) | トラックバック