2007年05月15日
14.学校歯科健診
平成七年から,学校保健法の一部改正に伴い,従来の検査項目に「歯列・咬合(こうごう)・顎(がく)関節」が新たに加わった.
日本学校歯科医会の指針では,「歯列・咬合」の健診にあたっては,将来,口の機能に重大な支障をもたらす恐れのある不正咬合をスクリーニングすることとし,かつ,それが矯正治療の勧告や誘導にならないように注意すべきであるとしている.
学校歯科医は,このような指針に従って健診をしているが,将来,重大な支障をきたすか否かの判断には,高度の専門的能力が要求される場合もあるため,健診結果にバラツキがあることが指摘されている.このような問題の解決を支援するために,日本矯正歯科学会・学校歯科保健委員会で協議を重ねている.
また,保護者には不正咬合と虫歯の健診結果が一緒に知らされている場合が多いので,不正咬合の健診結果も治療勧告のように思われている可能性がある.では,それがなぜ治療勧告に結びつかないように注意すべきなのだろうか.これには「顎変形症」および「口唇裂・口蓋裂」以外の矯正治療に健康保険が適用されていないという事情が配慮されているようだ.矯正治療への健康保険の給付については,現在,厚生省および学識経験者を中心に研究組織を構成して検討がなされている.
さて,今年も学校歯科健診の季節がやってきたが,その結果,歯並びやかみ合わせに“異常あり”という知らせを受けた場合,どうすべきかについて少し述べておきたい.
最も大事なことは,“異常あり”とされたかみ合わせには,どのような問題点が含まれ,どのようなリスクが考えられるのかについて詳しく知ることである.そのためには,①かかりつけ歯科医(一般歯科医)の診察を受け,必要があれば矯正専門医や歯学部付属病院を紹介してもらう.②特定のかかりつけ歯科医がいなければ,歯学部付属病院で診察を受け,必要に応じて矯正専門医を紹介してもらう.③直接矯正専門医の診察を受ける- などの選択肢がある.ただし,矯正専門医不在の地域では,一般歯科医が矯正専門医と連携して診療にあたっている場合もあるので,かかりつけ歯科医に相談してみるとよい.また,医療機関によって初診料や相談料に違いがあるので,事前に確認しておくことが必要だ.
さらに,矯正治療を受ける際の注意点として,治療方針や治療費などについて詳しく説明を受け,十分に納得した上で治療を受けることが大切である.昨今ではインフォームド・コンセントやセカンド・オピニオン(他医の意見)を求めることは「患者さんの権利」として認められており,誰にも遠慮はいらない.
なお,日本矯正歯科学会ではホームページを開設し,全国の認定医名などを公開しているので,参考にされるとよい.
投稿者 菅原準二 : 2007年05月15日 17:38
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